不良肉芽
- 【読み】
- ふりょうにくげ
- 【英語】
- diseased granulation tissue
- 【辞典・辞典種類】
- 歯周病学事典
- 【詳細】
- 不良肉芽とは、感染した肉芽組織を意味する。顆粒形成が不明瞭で線維芽細胞の増殖傾向が弱く、線維下の傾向に乏しく、毛細血管、組織液、遊走細胞に富み、浮腫性、易出血性である。
歯肉に炎症が波及すると組織は肉芽化することによりその再生をはかろうとする。しかし、その時にポケット底部に繁殖した細菌に感染すると、正常に治癒することが不可能となり、暗赤色で易出血性の不良肉芽として存在するようになる。不良肉芽は、歯周疾患においては歯根周囲や根分岐部および破壊された歯槽骨面にみられる。歯肉剥離掻爬手術は、縁下歯石とともに不良肉芽の除去を目的として行われるが、不良肉芽の除去が完全に行われないと、止血しにくいばかりか、歯肉弁の骨面や歯根面への再付着が妨げられるために創傷治癒の遅延やポケットの再発が起ってくる。