歯根嚢胞
- 【読み】
- しこんのうほう
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科用語小辞典(臨床編)
- 【詳細】
- 根尖性歯周組織疾患の一種で、根管内よりの弱い刺激(細菌の産生物、歯髄の自己融解物質)が、長期にわたり根尖部を刺激し、マラッセの残存上皮が増殖し根尖部に発生する嚢胞である。上皮性の嚢胞壁を有し、嚢胞内には黄色、ないし暗褐色の漿液性、粘液性の液状物が存在し、コレステリン結晶などが認められる。一般に自覚症状はなく軽度の打診、違和感がある程度である。患歯は失活歯であり、X線所見により根尖部に境界明瞭な透過像が観察され、その外側に一層の白線が認められることが多い。嚢胞が著しく増大すると根尖部に羊皮紙様感が認められることがある。治療方針としては、感染根管治療を行うが、外科的療法が行われることもある。