目次
1.特集:X線 MDCTと高磁場強度MRIで何が診えるのか
画像診断・マルチスライスCT(MDCT)と高磁場強度MRIで何が診えるのか
佐野 司/音成貴道/大久保真衣
マルチスライスCT(MDCT)は精度の高い3次元画像を作成することが容易である。また、高磁場強度のMRI装置は、軟組織を中心とした病態診断では特に有用性が高い。本論文では、MDCTおよび高磁場強度のMRIの発展の経緯と、検出される組織、病態について述べる。
2.特集:X線 根管治療におけるX線CT装置の有用性
歯科用小型X線CTの根管治療における有用性
牛窪敏博
近年、歯内療法の分野では、マイクロスコープ、NiTiファイル等の歯科用器具の発展に伴い、より正確な診断や治療が可能になり、治療時間も短縮できるようになってきた。しかし、複雑な根管形態や根尖部の病変の有無や広がりを正確に把握することは、依然困難な場合も少なくない。本論文では、根尖病変の予後の評価、そして根管治療における歯科用CTの有用性について述べる。
3.特集:X線 翻訳論文―パノラマX線写真による血管病変の同定
パノラマX線写真による血管病変の高リスク女性の同定
田口 明/末井良和/真田光博/東 幸仁/大塚昌彦/中元 崇/津田幹夫/大濱紘三/谷本啓二
本研究結果は、パノラマX線写真による骨粗鬆症のスクリーニング指標により、血管障害の極めて初期の起点である血管内皮機能障害を診断することができることを示したものである。すなわち、われわれ歯科医師が、歯科治療のために撮影したパノラマX線写真で、無症状期の心血管・脳血管障害患者を医科へ紹介することができる可能性を本研究では示唆している。
シリーズ企画[1]垂直破折歯根の接着治療(その3) 予後不良の対策法
垂直破折歯根の接着治療法の成績と予後不良症例への対策法
菅谷 勉/加藤 熈
本誌1、2号では、抜歯の重要な原因となっている垂直破折歯根の接着治療法を確立するため、基礎から臨床にわたる研究を述べた。本号ではシリーズ第3弾として、接着治療の予後不良対策研究をもとに、成功率向上に役立つ治療法を掲載した。
シリーズ企画[2]ストレスフリーなインプラント手術時の麻酔(その1)
安全で快適なインプラント手術のために
砂田勝久
インプラントの成功・不成功を左右するフィクスチャーの埋入に際しては、外科的な技術はもちろんのこと、その背景として、確実な全身管理と麻酔管理が必要である。シリーズとなる本企画第一回目は、精神鎮静法と「痛くなく、よく効く」局所麻酔法について、筆者らの研究結果を交えて具体的に解説する。
支台築造の基礎
支台築造に関する基礎および臨床研究
福島俊士/坪田有史/橋本 興/深川菜穂/西村 康
支台築造に関する論文は多く、それぞれの論文の位置づけに迷うことが少なくない。本論文では、現在臨床で用いられている複数の術式と、それらの優劣を比較するのに用いられている研究方法との関係が、総論的に紹介されている。
根管治療の良好な予後のための根管充填
根管充填における封鎖性
戸田忠夫
根管治療の予後を良好にするためには、良好な根管充填が必須である。また、良好な根管充填を達成するためにはするためには、それなりの前準備が必要である。前準備の中身には、根管拡大・形成の様態、根管壁の状態および根管充填材(剤)と根管用シーラーの種類などが含まれる。本論文では、現行の根管充填の評価と、それに影響を及ぼす因子について、根管の封鎖という観点から検証を試みる。
翻訳論文
■口臭治療の予後を予測するために用いた臨床指標の信頼性
田中宗雄/安栗秀肇/西田伸子/小島美樹/永田英樹/雫石 聰
■ラジオガイド手術用プロトタイプ小型CdTe半導体ガンマカメラ
土持 眞/阪原晴海/羽山和秀/船木 稔/大野良一/白幡 孝
TERJE Orskaug/GUNNAR Maehlum/YOSHIOKA Koki/EINAR Nygard
Topics
■イオン飲料とう蝕についての考え方、および母乳とう蝕についての考え方
高木裕三/前川喜平
■インプラント支台のオーバーデンチャー
前田芳信/堀坂充広/十河基文
■唾液を使った新しい歯周疾患検査法について(その2)
健(検)診におけるスクリーニングへの応用
佐藤 勉/鴨井久一