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培養歯肉線維芽細胞シート

【読み】
ばいようしにくせんいがさいぼうしーと
【英語】
tissue engineered human gingival fibroblasts sheets
【書籍】
the Quintessence 2007年4月号
【ページ】
87

キーワード解説

患者の下顎臼歯部から採取した少量の歯肉片より線維芽細胞を分離・調整し、アテロコラーゲン溶液中に浮遊させた細胞浮遊液をヒアルロン酸スポンジマトリックスに播種して1週間培養することで作製するシートで、歯肉組織の再生への応用が期待できる。培養歯肉線維芽細胞シートを利用した場合、従来の歯肉増大術と比較して、広範囲な供給側が不要であるため患者の負担が軽減される、シートから各種増殖因子が放出されるため創傷治癒・組織再生が促進される、培養できるシートのサイズや枚数の制限がない、などの利点がある。2007年4月の時点では、基礎研究から得られた科学的根拠に基づき、根面被覆術への応用や根面露出による知覚過敏の改善への応用など、ヒトへの臨床応用が行われた段階であり、実用化には至っていない。