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下顎管前方ループ

【読み】
かがくかんぜんぽうるーぷ
【英語】
anterior loop of the mandibular canal
【書籍】
インプラント・口腔外科のための手術の基本と外科解剖
【ページ】
74

キーワード解説

下顎管は下顎枝内側の下顎孔からはじまり、下顎骨内を前方に走行し、オトガイ孔に開口する前に、いったんオトガイ孔前方部(近心)に進んで屈曲した後、オトガイ孔に開口する。このオトガイ孔より前方の屈曲する部分を下顎管前方ループと呼んでいる。そのため、たとえオトガイ孔より前方に骨内インプラントを埋入しても、オトガイ孔前方部にある下顎管ループの下歯槽神経血管束を損傷させ、オトガイ神経領域に知覚障害を生じることがある。このために、前方ループの長さは臨床上重要な意味を持つのである。剖検と生体計測によって、前方ループの長さは1993年から10年間5mm以下と報告されていたが、その後の調査で5mm以上のものもあることがわかった。オトガイ孔近くにインプラントを埋入する場合、オトガイ孔から前方ループの長さが5mm以上有する症例もあることを念頭においてエックス線写真やCT写真でオトガイ孔付近を入念に観察するべきである。