結紮止血
- 【読み】
- けっさつしけつ
- 【英語】
- hemostasis by ligation
- 【書籍】
- 一般臨床家,口腔外科医のための口腔外科ハンドマニュアル’07
- 【ページ】
- 147
キーワード解説
結紮止血とは、血管を縛り止血する方法をいう。結紮止血の利点は、後出血の恐れのないことである。欠点として、時間がかかること、被結紮組織の壊死と縫合糸という異物を残すことである。したがって結紮止血は、必要なものに限って行い、止血鉗子で挟む血管以外の組織をできるだけ少なくし、糸の切り端も解けない程度に切り詰める。出血点が特定できない場合や、組織が強靱であったり、逆に脆くて通常の結紮では縫合糸が脱落してしまう恐れのある場合には、被止血組織の基部や周辺に結紮糸を通しておいて結紮止血する。この際、被止血組織を挟んだ止血鉗子の先を巻き込まないで結紮するのがコツである。被止血組織を鉗子で挟む余裕がないときには、8の字縫合やマットレス縫合を行う。この際、被止血組織を引き裂かずに十分締まるように、指先にゆとりを持たせながらゆっくり締めるのがコツである。