歯肉癌
- 【読み】
- しにくがん
- 【英語】
- carcinoma of the gingiva
- 【書籍】
- 歯科衛生士 2007年8月号
- 【ページ】
- 68
キーワード解説
歯肉癌とは、歯肉の上皮組織から発生した悪性腫瘍。上顎より下顎に多く、上下顎とも臼歯部歯肉に好発する。歯肉は薄い組織であるため、癌は歯肉にだけとどまらず、その下の骨や骨膜に浸潤していく。また、癌の特徴である転移は、顎下リンパ節や頸部リンパ節に生じ、通常下顎の方が上顎よりも起こりやすい。
歯肉癌の表面はざらざらとした感じの腫瘤。早期には疼痛などの自覚症状に乏しく、進行して歯肉の腫脹や潰瘍の出現によって気づく。歯肉癌の腫脹や潰瘍は歯周病と間違えやすく、癌であるにもかかわらず歯肉炎や歯周炎と診断され、スケーリングなどがなされていることが少なくないので、注意が必要である。