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フェイスボウ・トランスファー

【読み】
ふぇいすぼう・とらんすふぁー
【英語】
face-bow transfer
【書籍】
QDT2007年9月号
【ページ】
53

キーワード解説

フェイスボウ・トランスファーとは、フェイスボウとバイトフォークを用いて上顎歯列と解剖学的基準点(線)の三次元的位置関係を咬合器上に再現する操作である。これにより、(1)生体の下顎頭と咬合器の開閉軸を一致させ、(2)上下歯列模型を生体と同じ位置関係に固定し、(3)下顎運動(限界運動)を再現出来る。
フェイスボウには、(1)皮膚上に再現されたヒンジポイントを後方基準点とするヒンジボウ、(2)外耳道に挿入し、平均的な後方基準点を求めるイヤーボウ(シンプルボウ)の2種があり、各々全調節性咬合器と半調節性咬合器に用いられることが多い。日常臨床ではイヤーボウと半調節性咬合器の組み合わせが大多数を占め、その再現性も高い。
咬合器に生体と同じ位置関係で模型を付着することは、チェックバイト(顆路角の調整)、補綴装置の咬合面形態、審美的な前歯部排列基準と舌面形態に影響を及ぼすため、これはいかなる補綴治療においても重要な手技となる。