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扁平苔癬

【読み】
へんぺいたいせん
【英語】
oral lichen planus
【書籍】
歯科衛生士 2007年11月号
【ページ】
50

キーワード解説

 扁平苔癬とは、皮膚や口腔粘膜の角化異常をともなう、免疫反応が関連する炎症性の病変である。口腔においては頬粘膜に好発する。原因として内分泌異常や金属アレルギーが考えられているが、現在のところ不明。
赤と白の線状、レース状、網目状などを呈し、赤みが強いものは、萎縮性カンジダ症との鑑別が困難なことがある。自覚症状は強く、多くは痛みで病変の存在に気づく。ただし自覚症状は日によって異なり、その一方で自覚症状のまったくないケースもある。診断は、典型的なものは肉眼所見だけで可能だが、判断ができないときには生検を行う。
 免疫異常の病変の場合、原因治療が確立されていないため、治療は対症療法のみとなる。したがって扁平苔癬の治療のゴールは自覚症状を軽減させることであり、副腎皮質ステロイドホルモン軟膏を用いる。痛みが強いときに軟膏療法を行い、改善されたら使用を中断する。