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臨界pH

【読み】
りんかいぺーはー
【英語】
critical pH
【書籍】
歯科衛生士 2008年3月号
【ページ】
51

キーワード解説

臨界pHとは、歯質がミネラルの喪失を起こすもっとも高いpHの値で、象牙質でpH6.0~6.2、エナメル質でpH5.5以下である。プラーク溶液中のpHが5.5以下に低下すると、エナメル質のハイドロキシアパタイトが唾液やプラーク溶液中に溶出する。この状態を脱灰という。その一方で、唾液中のリン酸イオンやカルシウムイオンが脱灰された部分に再び取り込まれれば、ハイドロキシアパタイトを析出する。これを再石灰化という。この時に形成するアパタイトは、沈殿する溶液の組成に依存し、溶液中にフッ化物イオンが存在すれば、耐酸性の強いフルオロアパタイトが生成される。なお、食事回数の増加は、継続的なpHの低下を持続させ、その結果、脱灰時間が延長してう蝕リスクを増加させることから、規則正しい食生活習慣が望まれる。