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骨縁上歯肉組織

【読み】
こつえんじょうしにくそしき
【英語】
supracrestal gingival tissue
【書籍】
PRD 2008年2号
【ページ】
52

キーワード解説

骨縁上歯肉組織(以下SGT)は、1997年にSmuklerとChaibiにより歯槽骨上の線維、接合上皮、歯肉溝の集合を表すものとして提案された語である。平均2.73mm(約3mm)というデータがあるが、実際の値は歯によってばらつきがある。従来の生物学的幅径(biologic width)の概念では、歯槽骨縁より上方に結合組織と上皮の付着部(約2mm)があることが強調されていたが、SGTは生物学的幅径の概念を臨床応用する指標として意義がある。たとえば臨床的歯冠長延長術を行う際、歯周組織への侵襲を最小限にとどめるため、歯槽骨縁から上方の歯質まで3mmの骨削除が許容範囲とされている。また、支台歯形成ではマージンを歯肉縁下0.5mmの位置に設定することが推奨されていることが多い。