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咬合支持の回復

【読み】
こうごうしじのかいふく
【英語】
restoration of occlusal support
【書籍】
新版 現代のパーシャルデンチャー
【ページ】
10、11

キーワード解説

欠損補綴を行う場合のコンセプトとしてもっとも重要なものは、歯の欠損によって生じた咬合接触の欠陥に対して、補綴装置によって安定した咬頭嵌合位を構成し、上顎、上顔面に対する下顎の終末位置を規定する咬合接触の回復を確実に行うことである。この咬合支持は、残存歯である天然歯によって確保することが理想的であるが、やむなく状態の不良な残存歯、さらに有床部にも咬合支持を求める粘膜支持様式による回復もある。したがって、支台歯となる残存歯や、有床部の場となる欠損部顎堤などの荷重に対する動態ならびにそれぞれの被圧変位性などの負担能力についての十分な知識と臨床技能が必要不可欠である。また、負担能力に影響を及ぼす負担組織の炎症性変化について、その成り立ちを十分に知っておく必要がある。このような視点に立ち、安定した咬頭嵌合位をいろいろな手段によって再構成することが、咬合支持の回復である。