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歯冠‐歯根比

【読み】
しかん‐しこんひ
【英語】
crown-root ratio
【書籍】
QDT2008年5月号
【ページ】
64

キーワード解説

歯冠と歯根の長さの比率。歯冠‐歯根長比ともいう。歯冠‐歯根比には、解剖学的歯冠‐歯根比と臨床的歯冠‐歯根比がある。解剖学的歯冠‐歯根比は、セメント‐エナメル境で歯冠と歯根を分ける。一方、臨床的歯冠‐歯根比は、歯槽窩から突出している部分を歯冠とし、歯槽窩内の部分を歯根とする。単に歯冠‐歯根比といえば後者を指す場合が多い。補綴的な観点からいえば、歯冠に対する歯根の比が大きい場合には、側方力に対する抵抗力が大きくなるため、支台歯として利用することができ、処置の選択肢が広がる。一般的に、歯冠:歯根=1:1.5であれば支台歯として十分であり、1:1は最低限必要であるとされている。不良な歯冠‐歯根比を改善する方法としては、矯正的挺出、再生療法、隣在歯との連結(スプリンティング)、咬合面の削除、が挙げられる。