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ブラックトライアングル

【読み】
ぶらっくとらいあんぐる
【英語】
black triangle
【書籍】
QDT 2008年7月号
【ページ】
138

キーワード解説

ブラックトライアングルとは、歯間乳頭が欠落することで下部鼓形空隙にスペースが生じた状態。その語源は、スペースが生じた部分の色と形からきている。これが生じると、とくに前歯部領域では審美障害、発音障害(会話時に空気が漏れる)、プラークや食物の停滞などといった臨床上の不都合が起きる。
ブラックトライアングルの発生の原因には、いくつかの要因が考えられるが、成人におけるもっとも一般的な理由は、プラークに起因する病変による歯周支持の喪失である。その他に歯頸部辺縁部の支台歯への適合不良、形態不良の修復補綴物、隣在歯の欠損、歯冠形態や歯列不正などが挙げられ、さらに歯周外科などの治療行為によって生じることもある。
ブラックトライアングルの改善方法としては、結合組織移植などの外科処置、クリーピングの期待、咬合調整(原因が外傷性咬合の場合)などがあり、補綴的にはロングコンタクトの補綴物形態を付与することでも解決できる。