ファイバーポスト

【読み】

ふぁいばーぽすと

【英語】

fiber post

【書籍】

QDT　2008年９月号

【ページ】

22

キーワード解説

　ファイバーポストとは、レジン支台築造に用いられる既製ポストの一種である。具体的には、カーボンファイバーやグラスファイバー、あるいは石英ファイバーの繊維をレジンに含浸して成型したものであり、１）弾性率が象牙質と近似するため歯根破折の防止に役立つ、２）レジン含浸によって成型されているため築造用レジンとの接着性が高い、３）白色～半透明を呈するため、その後装着される補綴物の透明感を損ないにくい、４）腐食抵抗性が高く、歯質の変色がない、５）切削性が高いため、再治療が必要となった場合の侵襲が抑えられる、といった利点をもつ。しかしその一方で、ファイバーポスト―築造用レジン間の接着不足による脱離や、ファイバーポストのポスト孔内における位置およびサイズの選択ミスによる破折を生じる可能性もあるため、応用にあたってはメーカー指定の操作を遵守したうえで、接着歯学および構造力学的見地からの配慮が求められる。