専門情報検索 お試し版

歯磨剤

【読み】
しまざい
【英語】
toothpaste
【書籍】
歯科衛生士 2008年10月号
【ページ】
56

キーワード解説

歯磨剤とは、歯ブラシと併用して口腔清掃の効果を高めるために用いられる材料である。しかし、単に口腔清掃だけでなく、歯科疾患予防、抑制あるいは口臭除去、その他の効果を期待する薬物などが配合されている。

歯磨剤は、大別して基本成分と薬効成分から構成され、基本成分には研磨材、湿潤剤、発泡剤、粘結剤、香味剤、保存料などがある。一方、薬効成分には薬理的、生化学作用のある成分が適宜配合され、代表的なものとしてフッ化物が挙げられる。昨今では、フッ化物によるう蝕予防の効果が高いことが確認され、市販されているほとんどの歯磨剤にフッ化物が配合されている。

またこれらの成分は、歯磨剤が口腔内で用いられることから、飲み込みや口腔軟組織・硬組織に対する安全性を考慮して配合されている。中でも硬組織に対しては歯磨剤による弊害がないよう国際規格が設定され、歯の摩耗が生じない範囲で機能効果を高めるという見地から、RDA法(radioactive dentine abrasion:相対象牙質摩耗)による研磨力が250以下とされている。