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咬耗

【読み】
こうもう
【英語】
attrition
【書籍】
歯科衛生士 2008年11月号
【ページ】
51

キーワード解説

 咬耗とは、いかなる要因も影響することなく、歯と歯の接触によって生じるもので、純粋にエナメル質と象牙質のすり減り(tooth-tooth contact)を指す。さらに咬耗は、日常の咀嚼作用による「生理的咬耗」(1年間で68μm程度の損失)と、常習性歯ぎしりや不正咬合者にみられる「病的咬耗」(1年間で300μm程度の損失)に分類される。

 咬耗の好発部位は、小臼歯と大臼歯の咬合面の他、下顎前歯部切端にも発現する。通常、咬耗の発現部位には、不透明象牙質や第二象牙質が形成され、露出した象牙細管は石灰化物質(スメアー層など)で封鎖されており、歯質損傷による疼痛などがないのが一般的。それゆえ、加齢にともなう退行性変化の一症状として捉えられることが多く、疾患として認識がされにくい。