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短縮歯列

【読み】
たんしゅくしれつ
【英語】
shortened dental arch
【書籍】
別冊the Quintessence YEAR BOOK 2009
【ページ】
46

キーワード解説

近年、北欧を中心として、歯の欠損、とくに後方大臼歯のみの欠損は補綴しないほうがよいのではないかという考え方が現れてきた。とくに、オランダのKaeyserらは1981 年以来、一連の臨床論文を発表し、「短縮歯列」(shortened dental arch:SDA)の概念を提唱してきた。この「短縮歯列」の概念とは、少なくとも小臼歯部の咬合接触が存在する両側ないし片側の大臼歯2歯欠損程度の場合、その欠損を放置しても下顎の咬合支持には影響が少なく、下顎位の保持などの顎口腔機能には問題がないとする考え方である。むしろ、欠損補綴を行うことによる残存歯の二次う蝕や歯周炎の発症、欠損部顎堤の吸収など副作用のほうが、義歯による補綴効果よりも大きいのではないかとする立場である。