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病原微生物

【読み】
びょうげんびせいぶつ
【英語】
pathogenic microorganisms
【書籍】
歯科衛生士 2009年2月号
【ページ】
54

キーワード解説

病原微生物とは、毒素や酵素を産生したり、ヒトの組織に侵入する能力などがあり、健康なヒトに病気(感染症)を起こす微生物を指す。細菌、リケッチア、クラミジア、ウイルスなどがある。
 歯科領域の疾患であるう蝕と歯周病では、主に前者がStreptococcus mutans、Streptococcus sobrinus、後者ではPorphyromonas gingivalisがあげられる。
 感染症は病原微生物が宿主に付着することから始まる。病原微生物が単に付着したにすぎない場合は汚染と呼ばれ、病原微生物が宿主である生体内に侵入して定着し、生体内で増殖することによって生体に新たな寄生状態が成立した場合を感染が成立したという。感染の結果、生体が障害を受けて、発熱などの症状を呈した場合を発症(または発病)という。
 発症するか否かは、宿主の抵抗力と寄生体(病原微生物)によって決まる。生物の種類、菌量、病原性、宿主の感受性、感染部位そして抵抗力などさまざまな要素が関係してくるため、宿主-寄生体間の相互関係(host-parasite relationship)として考える必要がある。