専門情報検索 お試し版

バイオフィルム

【読み】
ばいおふぃるむ
【英語】
biofilm
【書籍】
歯科衛生士 2009年3月号
【ページ】
59

キーワード解説

バイオフィルムとは、自然界に広く存在する微生物の集団をいい、固体表面に付着した凝集塊のことを指す。多くの場合、細菌が産生する粘着性の菌体外多糖体(グリコカリックス、glycocalyx)に被覆される形で、さまざまな物質の表面に付着して増殖、成熟する。歯面に形成されるデンタルプラークは代表的な例で、他に河川の岩や下水道のパイプの表面、動物の腸管内壁、人工臓器の表面など広く自然界に観察される。
バイオフィルムは、多種多様な細菌分布が三次元的に変化して、単一な細菌では認められない特異な微小環境が形成されている。そのために多くの偏性嫌気性細菌が生息し、宿主免疫に対してのバリアーとしてはたらいている。また、内部の細菌は代謝活性が低下していることから、抗生物質などが有効に効かないことが明らかにされている。よって口腔内のバイオフィルム除去においては、機械的なコントロールが中心となる。