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骨のリモデリングサイクル

【読み】
ほねのりもでりんぐさいくる
【英語】
bone remodeling cycle
【書籍】
別冊ザ・クインテッセンス 一般臨床家、口腔外科医のための口腔外科ハンドマニュアル\'09
【ページ】
14-15

キーワード解説

 脊椎動物の骨が,体液の恒常性を維持するためのカルシウムの貯蔵庫として機能するためには,骨組織は常に新鮮な状態に保持されていなければならない.そのため骨組織は,一生涯骨形成と骨破壊(骨吸収)を繰り返しており,これを骨の改造(リモデリング)と呼んでいる.骨のリモデリングサイクルは,まず古い骨を破骨細胞が破壊した後,そこに骨芽細胞が集まって,I型コラーゲンを主成分とする骨基質を作り,その上にリン酸カルシウム(ヒドロキシアパタイト)が沈着して,改造の1サイクルが完了する.骨組織は,構造上,皮質骨(緻密骨)と海綿骨に分けられる.成人の緻密骨と海綿骨の量的比率は9:1と圧倒的に緻密骨が多い.しかし改造される骨の比率は,緻密骨が1年に約3%なのに対し,海綿骨は30%にもおよぶ.その結果,ヒトの骨は全体で1年間に約6%が作りかえられている.歯槽骨は海綿骨であり,顎骨は緻密骨である.