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特異的プラーク仮説

【読み】
とくいてきぷらーくかせつ
【書籍】
歯科衛生士臨床のためのQuint Study Club 知ってて得した!歯周治療に活かせるエビデンス
【ページ】
16

キーワード解説

 プラークの量が歯周病の発症・進行と関係するとした「非特異的プラーク仮説」に対し、ある種の特異的な細菌群を含んだプラークだけが病原性を有し、歯周病の発症や進行に関わるという仮説。すべてのプラークが同じような病原性を持つのではなく、患者ごとにプラークに含まれる細菌の種類が異なっていたり、同じ患者の中でも疾患部位と健康部位ではプラークの細菌構成に違いがあるというもの。
 この仮説により、大量にプラークや歯石が付着しているにもかかわらず歯周炎が進行していない人がいること、進行した歯周病に罹患している人でも、部位ごとに歯周組織の破壊に違いが見られること(部位特異的であること)などの非特異的プラーク仮説では説明できない疑問を解消することができた。
近年の歯周病原細菌の分離培養や分類、同定技術の進歩により、この仮説はより確信をもたれるようになっている。