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自家歯牙移植

【読み】
じかしがいしょく
【英語】
autotransplantation
【書籍】
QDT 2009年 06月号
【ページ】
70

キーワード解説

同一口腔内において歯をある場所から他の場所へ移植する処置。通常、保存不可能な大臼歯を抜歯し、機能に参加していない歯(多くは智歯)を移植する。診断で重要な点は、移植歯と受容側の適合度、移植歯の歯根形態・幅径、歯根膜の面積・量である。自家歯牙移植の利点は、1歯欠損ではブリッジのために隣在歯を削合することが回避できること、インプラントと比較すると、骨誘導能があること、対合歯に負担過重を起こしにくく、支台歯とする場合にも他の支台歯との連結に制約を受けにくく、安価であること、などが挙げられる。欠点は、歯根吸収やアンキローシスを起こす可能性があること、インプラントよりも頬舌的骨量を必要とすること、手技に熟練を要すること、などである。なお、以上の語義のほかに、広義では歯槽窩内移植や意図的再植も含められる。