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歯周病と心理・社会的ストレスの関係

【読み】
ししゅうびょうとしんり・しゃかいてきすとれすのかんけい
【英語】
relationship of periodontal disease and psychosocial stress
【書籍】
ペリオ&インプラントセラピー
【ページ】
16

キーワード解説

 心理・社会的なストレスが歯周病へ及ぼす影響について、第二次世界大戦時の戦場にいた軍人の間にみられた「塹壕口腔炎」が今日の急性壊死性潰瘍性歯肉炎/歯周炎(ANUG/ANUP)として知られ、口腔清掃不良とストレスによって引き起こされることがわかっている。歯周組織破壊に対するストレスの作用機序は不明であるが、その作用のなかで副腎皮質ホルモン(コルチコステロイド)の免疫応答への影響が含まれるものと考えられている。このように心理・社会的ストレスは病原菌に対する免疫応答を低下させ、生体防御と創傷治癒の過程を阻害することによって歯周組織の破壊を起こしやすくすることは報告されているが、まだその数が限られており、決定的であるとするには時期尚早である。