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下顎前突

【読み】
かがくぜんとつ
【英語】
mandibular prognathism
【書籍】
歯科衛生士 2009年7月号
【ページ】
39

キーワード解説

下顎前突とは、上顎に対して下顎が前方位をとる状態で、一般に「受け口」といわれる。同類語である「反対咬合」は、上下前歯被蓋が逆になっている状態をいう。主な原因は遺伝や顎の成長発育の異常で、下顎骨が過剰に成長したために下顎が著しく前突しているか、上顎骨の劣成長のために上顎が通常より後退していることが多い。真性の下顎前突は、形状によっては下顎前歯部の歯肉退縮や裂開のリスクが非常に高い。また機能性下顎前突では、前歯の咬合性外傷が多く叢生も散見される。いずれも歯磨きに留意が必要である。顔貌としても審美性に欠け、矯正治療が望まれる。
治療は、成長期前にできるだけ早期に開始することが望ましいが、成長発育による再発の可能性もある。成人後の治療では、顎の骨を切って上顎と下顎のバランスを調整する外科手術による矯正が主流になり、患者への負担が大きくなる。