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傾斜埋入インプラント

【読み】
けいしゃまいにゅういんぷらんと
【英語】
tilted implant
【書籍】
QDI 2009年6号
【ページ】
59

キーワード解説

インプラントを近遠心的、あるいは頬舌的に傾斜させ、既存骨の中に埋入する術式の総称。垂直的骨量に乏しい上顎臼歯部にインプラント治療を行う場合、現在ではサイナスフロアエレベーションが広く用いられる。一方、そうした骨造成手術に伴う治療期間の長期化や外科的侵襲を避けるべく、インプラントを近遠心的に傾斜させ、上顎結節を利用して埋入する手法が、近年になって応用されるようになった。また、インプラントを頬舌的に傾斜させ、上顎の口蓋側の骨を利用してその中に埋入し、唇側への骨移植・骨造成を回避する手法も広く活用されつつある。こうした傾斜埋入インプラントは、グラフトレスのインプラント治療の一つとして大いに注目され、その有用性を報告した論文も数多く著されている。しかしながら、臨床評価などの報告はいまだ少なく、未知数な要素が多いのも現状であり、計画・応用にあたっては、術前に綿密なCT画象診断やコンピュータシミュレーションを行い、慎重に適応症を選択することが必要不可欠である。