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根尖性歯根吸収

【読み】
こんせんせいしこんきゅうしゅう
【英語】
apical root resorption
【書籍】
別冊 臨床家のための矯正YEAR BOOK '09
【ページ】
109

キーワード解説

矯正歯科治療による根尖性歯根吸収は、吸収された歯根の部分が正常な歯槽骨に置換される、予測困難な偶発症の1つである。無菌的炎症過程を経る根尖性歯根吸収の発生の原因はとても複雑で、機械的外力、歯根長や形態、歯槽骨、マトリックス、細胞、生物学的メッセンジャーなどのさまざまな要因が関係している。
Killiany らは矯正歯科治療を受けた患者の30%に3mm以上、また5%に5mm以上の歯根吸収が認められたと報告している。矯正臨床において同様な治療を施しても歯根吸収の程度は患者によって異なる。治療中に発生する歯根吸収は、いまだその発生のメカニズムは解明されていないが、最近の研究では歯根吸収のリスクファクターとして患者個々の感受性、遺伝的要因、全身的要因が考えられている。