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顎孔伝達麻酔の指標

【読み】
かがくこうでんたつますいのしひょう
【書籍】
イラストでみる口腔外科手術
【ページ】
41

キーワード解説

歯肉頬移行部に沿って指を後方へ触診していくと、粘膜下に第二大臼歯の頬側から上方へ向かう外斜線と、それに続く下顎枝前縁を触れる。筋突起の上端は、閉口時には頬骨体の裏側に隠れていて触れないが、大きく開口させると、口腔内からこれを触れることができる。外斜線から指を内側に滑らせると、臼後三角と呼ばれる浅い窪みがあり、この内側に内斜線を触れる。内斜線は、歯槽の舌側に移行する部位で最も明瞭で、上方に向かうにしたがって不明瞭となる。内斜線の内側には、翼突下顎縫線を内包した翼突下顎ヒダがある。開口時に内斜線と翼突下顎ヒダの間にできる小さな逆三角形の浅い窪みは、口腔から翼突下顎隙への通路を示す指標として極めて重要である。下顎孔伝達麻酔は、内斜線とこの窪みを指標として行われる。