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誤嚥性肺炎

【読み】
ごえんせいはいえん
【英語】
aspiration pneumonia
【書籍】
歯科衛生士 2010年2月号
【ページ】
82

キーワード解説

誤嚥性肺炎とは、人が唾液や食べ物等を飲み込む際に食道ではなく気管に入ってしまい(誤嚥)、誤嚥されたものに含まれる口腔内の細菌が肺に到達し引き起こされる肺炎のことである。通常気管に異物が入ると、咳やむせによって誤嚥したものを気管から吐き出す反射が起きるが、高齢者ではこの反射が低下している場合があり、寝ている間に唾液の気管への流入も起こる(不顕性誤嚥)。不顕性誤嚥のような状態では口腔細菌の気管への流入が高頻度に起こるため、肺炎のリスクが上昇する。
日本の肺炎による死亡者は特に高齢者層で多く、その中でも多く見られるのが誤嚥性肺炎だとされる。この発症には、「口腔内細菌」「誤嚥」「全身的な抵抗力の低下」という3つの要因が複合的に絡み合う。歯科医療者による口腔ケアは、口腔衛生状態の改善を介し唾液中の細菌を減らすなどして、誤嚥性肺炎の防止に寄与することができる。