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生活モデル

【読み】
せいかつもでる
【英語】
life model
【書籍】
歯科衛生士 2010年4月号
【ページ】
11

キーワード解説

生活モデルとは、人としての自立を目的とし、QOLを阻む障害に対応するチームサービスの提供モデルである。これは「キュア(身体の治療)」と「ケア(高いQOLを一義とした医療)」との延長上にあるともいえ、既存の「医療モデル」、つまり疾病対応を中心とした診断・治療等の従来型医療サービス提供モデルとよく対比して使われる言葉である。
医療モデルは主に医療施設で医療従事者によって行われ、コストも高めである一方、生活モデルの展開の場は自宅など患者の生活の場となる。また医療従事者に加え、介護職や福祉職、本人や家族、友人や隣人など多様な人々が関わる。患者主体のセルフケアや生活行為とその支援が中心となり、コストを抑えることもできる。今日では、急速な高齢化や核家族化等の社会環境の変化を背景に、生活モデルの要素を盛り込んだ医療提供体制への変革が求められている。
歯科医療における医療モデルとは、う蝕で例えれば歯科医師が行う歯の切削からフッ化物塗布など直接的処置を指し、生活モデルは歯磨きや食生活の改善など毎日の行動や習慣の把握や指導、支援、さらにはその行動や習慣をつくる人間関係や環境整備等の支援を指す。
特に、在宅歯科診療などにおいては生活モデルの考え方に基づいた生活支援が求められており、歯科衛生士が患者に寄り添い、地域とも連携して患者のQOL向上に果たす役割の大きさが期待される。