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健康生成論

【読み】
けんこうせいせいろん
【英語】
salutogenesis
【書籍】
歯科衛生士 2010年5月号
【ページ】
79

キーワード解説

健康生成論とは、Aaron Antonovskyという医療社会学者によって考えられた概念で、あらゆるところに存在するストレスに対処して健康を維持するための要因(リソース、汎抵抗資源:GRRs)を活性化し、健康状態を良好にしようという考え方である。これに対し、病気の原因を追究し、原因を除去することによって病気を治そうという考えを「疾病生成論」という。
従来は、疾病生成論に基づいた対応がなされてきたが、生活習慣病などの慢性疾患中心の疾病構造や、患者の価値観の多用化などによって、病気の原因を追究する考え方だけでは患者の健康へのニーズに対応しきれない部分がでてきており、健康と病気に2分して考えるような健康観のみでは対応が難しい。その点健康生成論では、健康と病気は連続した状態にあるととらえて対応できる。よって歯科臨床でも、今後、健康生成論からの取り組みが求められるといえる。