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歯根破折

【読み】
しこんはせつ
【英語】
root fracture
【書籍】
歯科衛生士 2010年6月号
【ページ】
34

キーワード解説

歯根破折とは象牙質、セメント質、(生活歯の場合は歯髄も)を巻き込んだ歯の破折を指し、折れる、割れる、ヒビが入るなどの状態を呈することである。外傷により生じた場合、非感染歯髄として治癒形態を考慮すれば保存の術を講じることができる。
 生活歯にも歯根破折は生じるが、頻度としては失活歯に多く、破折の引き金となるのは咬合力や歯髄処置に関連する根管処置、コア築造などが考えられる。破折方向や部位によっては抜歯が不可避となる場合もあるが、根尖3分の1付近に見られる場合であれば外科療法が適応されることもある。
 また、患者の自覚症状に乏しく、エックス線写真検査により偶然発見される場合もある。メインテナンス時等に患者が咬合時痛を訴えた場合は歯根破折の可能性を想起するなど、予測される事態の把握と対応が望まれる。