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歯の破折

【読み】
はのはせつ
【英語】
tooth fracture
【書籍】
インターディシプリナリー治療計画 改訂版
【ページ】
140

キーワード解説

歯の破折は歯根に水平もしくは垂直に生じ、また歯冠、歯根あるいはその両者に存在する。外傷による水平破折で歯冠歯髄が生活性を示し、かつ舌側のプロービングで破折が触知されない場合は、モノフィラメント糸、あるいはニッケルチタン合金線の接着により固定を行うことが最善の処置である。
一方、「亀裂歯症候群」のように垂直方向に破折が生じた場合は、矯正用バンドあるいはカッパーバンドを装着する。もし症状が消退するようであれば、歯髄は生活しており、すべての咬頭を被覆することにより歯髄の生活性や健康が長期間維持された状態でしばしば無症状に経過する。しかしながら、破折が歯髄腔まで到達している場合は、症状の緩和のため歯内療法が必要である。
破折が歯根もしくは歯冠歯質に限局しておりセメントエナメル境(CEJ)を含まない場合は、予後は比較的良好である。