専門情報検索 お試し版

鼻咽腔閉鎖

【読み】
びいんくうへいさ
【英語】
velopharyngeal closure
【書籍】
別冊 臨床家のための矯正YEAR BOOK \'10
【ページ】
24

キーワード解説

鼻腔と咽頭腔を遮断する鼻咽腔閉鎖は、口蓋帆挙筋や口蓋垂筋などによって口蓋帆が挙上するとともに、咽頭後壁の一部が帯状に隆起することによって行われる。この鼻咽腔閉鎖はヒトが言葉をしゃべるときの構音のためにも重要なしくみである。この際に現れる帯状隆起はPassavantの隆起とよばれるが、上咽頭収縮筋の内面にあって口蓋腱膜に付着する帯状の筋束を括約筋として区別できるとされ、それが収縮することによってこの隆起が形成されると考えられている。また、上咽頭収縮筋の一部が口蓋腱膜に付着していることが多いほか、上咽頭収縮筋と耳管咽頭筋および口蓋咽頭筋の筋線維がお互いに連続的に配列していることもある。これらの筋は咽頭神経叢の同じ枝から支配を受けることなどからも、それぞれが1つの筋のなかの機能単位であると考えることもできる。