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口腔粘膜

【読み】
こうくうねんまく
【英語】
oral mucosa
【書籍】
別冊 臨床家のための矯正YEAR BOOK \'10
【ページ】
26

キーワード解説

顔や口腔の外表面を覆い、外界からの刺激や有害物などから保護するのが皮膚または口腔粘膜であり、また、これらの組織は深部の構造をも守る重要な役割を担っている。一般的に皮膚は表皮、真皮、皮下組織の三層より構成され、口腔粘膜は粘膜上皮、粘膜固有層、粘膜下組織の三層から構成されている。皮膚と粘膜では角化の程度や付属器官の違いによって見た目の形状はかなり異なるが、最表層の表皮と粘膜上皮はどちらも重層扁平上皮と言われる丈夫な層からなる。手掌や足底の皮膚は厚くて硬くなっており角質層がよく発達しているが、顔面の表皮や口腔の粘膜上皮は非常に薄くて柔らかい。これらの上皮組織中には血管は含まれず、口腔粘膜が赤く見えるのは粘膜固有層の血管が透けて見えるためである。