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ノンクラスプデンチャー

【読み】
のんくらすぷでんちゃー
【英語】
non-clasp denture
【書籍】
ザ・クインテッセンス 2010年9月号
【ページ】
151

キーワード解説

ノンクラスプデンチャーとは、一般的にはフレキシブルデンチャー、ナイロンデンチャーなどを含め、人工歯以外が熱可塑性樹脂で射出成型された義歯の総称である(厳密には、ノンクラスプデンチャーはレスト部などでのメタルの使用が考慮されており、他の2つの名称のデンチャーとはその構成が少し異なるため、同じものではない)。これらノンクラスプデンチャーの利点は、その維持部が歯肉色であることによる審美性のよさであり、近年、部分床義歯の選択肢の1つとして期待されている。しかし、例えばメタルクラスプに比べて材料学的に剛性が劣ることは明らかであり、ゆえに維持部に大きな負荷がかかる少数歯残存の遊離端欠損症例やすれ違い咬合などは適応症例とは考えにくい。いずれにしても、研究よりも臨床が先行し、歴史が浅い材料であることからも、その適応は材料特性を十分に理解したうえで慎重に行うべきである。