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口腔がん検診

【読み】
こうくうがんけんしん
【英語】
oral cancer screening
【書籍】
ザ・クインテッセンス 2010年9月号
【ページ】
143

キーワード解説

2005年のWHO Mortality Databaseによると、40歳以上の国別口腔・咽頭がんによる死亡者数(対人口10万)は日本の値のみが上昇傾向で、他の先進国では減少傾向にある。これは、先進国の予防および検診を含めたがん対策が功を奏した結果と考えられる。日本における口腔がん検診は認知度が低いものの、東京歯科大学口腔外科学教室が18年間継続して行った延べ人数約7,920名の市民への対策型検診(集団)では、口腔がんの発見率は0.11%と、他のがん検診の発見率と比較しても遜色のない値が示され、その有効性が証明されている。検診は集団・個別を問わず、特別な機器は不要で視診と触診が主となるため、検診者の技量に左右されることが多く、検診者の常日頃のトレーニングが必須となる。口腔がんは他のがんと同様に早期発見・早期治療が基本原則であり、検診者の診断レベルの質的向上を戦略的にどう図るかが最重要課題となっている。