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カルシウム拮抗薬

【読み】
かるしうむきっこうやく
【英語】
calcium channel blocker(CCB)
【書籍】
歯科衛生士 2010年10月号
【ページ】
43

キーワード解説

カルシウム拮抗薬とは、高血圧症および狭心症治療薬の1つである。その優れた降圧効果から世界的に用いられ、日本でも高血圧症に対し第1選択薬とするケースは多い。
血管壁を構成する平滑筋は、その細胞膜上と細胞内 にあるカルシウムチャンネルが開くことによって収縮する。カルシウム拮抗薬は、カルシウムチャンネルに拮抗してカルシウムイオンの細胞内への流入を阻害、カルシウムチャンネルの開放と平滑筋の収縮を防ぐことで血管が拡張し、血圧を下げるという作用を持つ。
ジヒドロピリジン系、ベンゾチアゼピン系、フェニルアルキルアミン系の分類があり、副作用には潮紅、頭痛、動悸、目眩、血圧低下、足の浮腫、歯肉の腫れ等が挙げられる。特に歯肉乳頭部分の腫脹は薬物誘発性歯肉増殖症といわれ、どの系統のカルシウム拮抗薬にも起こりうる。腫脹が重症化すると歯肉辺縁部にプラークがたまりやすいため、歯肉の手術切除に至る場合もある。徹底した口腔清掃により重症化を防げることもあるため、口腔衛生指導と継続的なメインテナンスが重要となる。