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歯の再石灰化

【読み】
はのさいせっかいか
【英語】
remineralization
【書籍】
歯科衛生士 2010年12月号
【ページ】
65

キーワード解説

一度脱灰された歯質がミネラル分(ハイドロキシアパタイトやフルオロアパタイト)を獲得すること。現在知られている生理的な条件下で見られる再石灰化現象は、脱灰され小さくなったアパタイト結晶が、唾液中のカルシウムイオンとリン酸イオンなどを取り込むことで大きくなる現象を指し、主に細胞が関与しない無機化学的プロセスによって進む。すなわち再石灰化が起きるためには、アパタイト結晶の存在が必須であり、その存在のない条件下では再石灰化は起きない。また再石灰化現象は、特にフッ化物イオンにより促進される。
骨や歯などの臓器形成でみられる「石灰化」(主にリン酸カルシウムの沈着)、あるいは軟部組織に種々のカルシウム塩が沈着する「石灰化」(病的な異所性石灰化)は、無機化学的プロセスに加えて生化学的要因(特定細胞由来のタンパク質や酵素の関与など)が絡んで進行し、アパタイトなどの結晶の存在を必ずしも前提としない。