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ワルファリン服用患者の抜歯

【読み】
わるふぁりんふくようかんじゃのばっし
【英語】
tooth extraction for patients on warfarin therapy
【書籍】
これならわかるビスフォスフォネートと抗血栓薬服用患者への対応
【ページ】
73

キーワード解説

日本では、2008年の日本循環器学会のガイドラインによると、日本人のワルファリン療法の推奨治療域はINR2.0~3.0だが、原疾患や年齢によりワルファリン療法の推奨治療域が異なる。心臓の機械人工弁置換術をされた患者では、血栓・塞栓症のリスクが高いので、INRは3.0以上にコントロールされていることもある。また高齢者の心房細動患者では、INRが1.6~2.6にコントロールされている。抜歯前に適切なINR値であるかどうかの確認が必要である。日本ではワルファリン継続下でのランダム化比較試験が行われていない。観察研究によると、ワルファリン継続下での後出血の発生率は3.7~7.5%(平均4.75%)であり、INRが3.0以下であれば、局所止血処置を厳密に行うことにより、ワルファリンを継続したままでも、重篤な出血性合併症を起こすことなく抜歯が可能とされている。