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ネガティブヴィンケル

【読み】
ねがてぃぶう゛ぃんける
【英語】
Negativwinkel (ドイツ語)
【書籍】
QDT Art & Practice 2011年1月号
【ページ】
29~32

キーワード解説

ネガティブヴィンケルとは、コーヌスクローネ内冠の歯頚部に生じるアンダーカットをさす語である。コーヌスクローネ義歯の製作にあたっては義歯全体の着脱方向を決定し、それに応じて軸面角度6°のテーパー角をもつ内冠の製作を行う。内冠にテーパー角があるため義歯全体の着脱方向に対し各支台歯の着脱方向に付与したテーパー角度分の許容範囲があることが特徴といえる。しかし、支台歯の位置・本数・歯軸方向によっては義歯全体の着脱方向に対し各支台歯の着脱方向が許容範囲に収まりきれない場合がある。つまり、ネガティブヴィンケルとはコーヌスクローネ義歯のそれぞれの内冠の平行性を保つために便宜的に歯頚部を「張り出させ」、目的の内冠形態を得るために付与されるものである。
 このように、ネガティブヴィンケルはコーヌスクローネ義歯の着脱と維持力発現のために必要なものではあるが、アンダーカット部の清掃が困難になること、また前歯部に設ける場合には審美性に影響するため、付与する場合には患者の同意とメインテナンスが必要といえる。