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植物性機能

【読み】
しょくぶつせいきのう
【英語】
vegetative function
【書籍】
歯科衛生士 2011年1月号
【ページ】
72

キーワード解説

ヒトの生命を維持するためには、いかにして酸素と栄養素を細胞に届けるか、細胞の環境を一定に保つかが不可欠であり、これら生命維持に最低限必要な生理機能を「植物性機能」と呼び、呼吸、血液循環、消化・吸収、排泄などがあげられる。またそのための器官である呼吸器や循環器、消化器、泌尿器などを「植物性器官」と呼ぶ。
口は栄養素を生体内に取りこむ役目を果たす消化器の一部であるが、経口摂取できない場合には、胃などの消化器や循環器は代替器官となり、経腸栄養、経静脈栄養などが行われる。しかし、ヒトには「植物性機能」に対するものとして、骨格筋や神経系に代表される「動物性機能」があり、ヒトを含めた動物が能動的に生きていくうえで欠かせない。「口から食べる」という行為は、栄養摂取の過程では数少ない動物性機能を活用したものであり、口腔ケアや口腔機能訓練などはこの動物性機能へはたらきかけており、意義の大きいケアといえる。