専門情報検索 お試し版

舌痛症

【読み】
ぜっつうしょう
【英語】
glossodynia
【書籍】
歯科衛生士 2011年3月号
【ページ】
68

キーワード解説

舌にピリピリ感や疼痛などの異常感を訴えるが、それに見合うだけの肉眼的変化がないものを舌痛症と呼ぶ。その大半は心気症(患者の訴えに見合うだけの身体所見がないにもかかわらず身体愁訴を訴える症状)に近い病態であると考えられている。
 疼痛はヒリヒリ、ピリピリ、ザラザラなど炎症性病変の症状に類似し、歯または義歯などに接触する舌尖部、舌側縁部に好発する。几帳面で強迫観念を持つ患者に多く見られる。発症の契機として、歯科的処置、粘膜炎、食事時の粘膜刺激などが考えられる。男性よりも女性、とくにがん年齢にある中高年期に好発し、がん恐怖を有する症例が多い。身体的所見がなければ、無暗に治療をしないことが重要である。