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Dahlのコンセプト

【読み】
だーるのこんせぷと
【英語】
Dahl’s Concept
【書籍】
ザ・クインテッセンス 2011年10月号
【ページ】
106

キーワード解説

Dahlのコンセプトとは、前歯部に厚さ2~3mmのCo-Cr製スプリントを装着し、臼歯部を萌出させ、前歯部に補綴スペースを確保するという咬合高径挙上法の一種。この可撤式のスプリントを「Dahlの装置」と呼び、これをtooth wearにより、前歯部での補綴スペースが不足している場合に用いる。Dahlの装置装着後4~6か月経過すると、前歯では歯の圧下、臼歯では歯が萌出することにより、臼歯が再び咬合接触する。この時、Dahlの装置を外すと、前歯で補綴スペースが得られる。Dahlの装置は、前歯部に限局したtooth wear、患者のオーラルハイジーンが良好、歯周組織および支持する骨組織が良好、また臼歯部の咬合が安定している場合が適応といわれている.Dahlらは、装置使用6~14か月後で平均2.51mmのスペースを前歯部に確保することができたと報告している。
後に、患者のコンプライアンスの問題から可撤式ではなく、卑金属で製作しセメント合着したものが報告されている。その後、プロビジョナルクラウンやコンポジットレジンでビルドアップし、前歯部で咬合挙上し、補綴スペースを確保するように変遷している。