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生理的咬合

【読み】
せいりてきこうごう
【英語】
physiological occlusion
【書籍】
ザ・クインテッセンス 2011年12月号
【ページ】
48

キーワード解説

生理的咬合とは、生体の咬合状態を示す言葉で、McNeillは「機能的に平衡あるいは恒常性が咀嚼系の全組織間に存在する咬合」と定義している。反対に「咀嚼系組織が機能需要対応における平衡や恒常性が失われている咬合」は非生理的咬合としている。また、非生理的咬合は「外傷性咬合」あるいは「病的咬合」ともいわれている。
 本用語を独自の解釈で使用している臨床家は他にも存在し、たとえば、生理的咬合は、1.「顎口腔系において、下顎運動の解剖学的均衡と生理的機能が調和した状態で咬合異常に起因する病的変化がみられない咬合状態」、2.「顎口腔系にかかる咬合力が適応力内に収まっている咬合状態」、などと定義している者もいる。
しかし、生理的咬合、非生理的咬合を臨床的に明確に区別することができるかというと、その境界は不明確で、その活用には一定の診断能力が求められることになる。