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歯内-歯周病変

【読み】
しない-ししゅうびょうへん
【英語】
combined endodontic and periodontal lesions
【書籍】
歯科衛生士 2012年3月号
【ページ】
34

キーワード解説

歯内-歯周病変とは、歯周、歯内各領域の疾患が互いの領域に波及したものをいう。辺縁歯周組織と根尖歯周組織は解剖学的に近接しており、辺縁歯周組織の異常は根管側枝や根尖孔を介して歯髄に、一方歯髄側からの異常は、根管側枝や髄管、根尖孔を介して辺縁歯周組織に影響を及ぼす。
Simon らは、歯内-歯周病変を病因に基づいて、「歯内病変が歯周組織に影響を及ぼしたもの」「歯周病変が歯髄組織に影響を及ぼしたもの」「歯内病変と歯周病変とが合わさったもの」の3つに分類している。治療は、これらの病因に基づいて行われる。
歯内病変が原因で生じた病変は、根管治療のみ行うことで治癒が期待できる。歯内病変と歯周病変の両方が存在する歯内-歯周病変の場合は、まず根管治療を行い、ある程度の観察期間をおき、治癒状態を把握したうえで歯周治療を行う。生活歯で歯周由来の病変の場合は、歯周治療を行う。