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ジルコニア

【読み】
じるこにあ
【英語】
zirconia
【書籍】
QDT Art & Practice 2012年4月号
【ページ】
100

キーワード解説

二酸化ジルコニウムの酸化物で、常態では白色固体、融点は2,700℃と高く、ダイヤモンドに近い高い屈折率を有する。結晶構造は単斜晶・正方晶・立方晶の3つからなり、温度によって相転移するが、立方晶から正方晶への相転移では約7.9%の体積収縮を、正方晶から単斜晶への転移では4%の体積膨張をともなう。ジルコニアに酸化カルシウム、酸化マグネシウム、あるいは酸化イットリウムなどが固溶されるとジルコニウムの構造中に酸素空孔が形成され、立方晶や正方晶が室温でも安定化され、温度の昇降による破壊を抑制する。ジルコニウムの大きな特徴として、亀裂の伝播を正方晶から単斜晶への相変態によって回避し、亀裂先端の応力集中を緩和するという「応力誘起相変態強化機構」を有することである。この時最大で正方晶の40%近くが単斜晶に変態する。