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遺伝性血管性浮腫

【読み】
いでんせいけっかんせいふしゅ
【英語】
hereditary angioedema
【書籍】
薬 '12/'13 歯科
【ページ】
18

キーワード解説

遺伝性血管性浮腫は、補体第1成分阻止因子C1インヒビター(C1-INH)の先天的欠損または機能不全により、血管透過性が亢進し、反復性、限局性に皮下・粘膜下組織に生じる浮腫を特徴とした常染色体優性遺伝性を示す疾患である。浮腫発作の発症状況によっては気道閉塞など致命的な結果をもたらすことがある。発作誘因として、ストレス、外傷や機械的刺激のほか、抜歯をはじめとする歯科治療が大きな危険因子となっている。世界的には1万~15万人に1人の有病率といわれているが、本邦では、約3,000名程度の患者が推定されている(2011年現在)。臨床症状としては、顔面・四肢の皮膚・粘膜における蕁麻疹を伴わない硬性浮腫が代表的である。その他に、喉頭浮腫や悪心、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状や乏尿、尿閉などの泌尿器症状を呈することがある。