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歯列接触癖

【読み】
しれつせっしょくへき
【英語】
tooth contacting habit
【書籍】
歯科衛生士 2012年9月号
【ページ】
77

キーワード解説

歯列接触癖とは、上下の歯を持続的に接触させる癖のこと(tooth contacting habitを略してTCHとも呼ばれる)。ヒトの上下の歯は食事や会話のときに瞬間的に接触するものの、それ以外のときは通常接触していないものである。しかし日常的に、かつ無意識に上下の歯を接触し続けている人がいる。このような状態が長時間に及ぶと、咀嚼筋の疲労や歯・顎関節の圧迫につながり、それらの疼痛の原因となる。また夜間のブラキシズム(歯ぎしり)との関連も強いと考えられている。
 歯列接触癖を軽減するためには、認知行動療法が有効。認知行動療法とは、上下の歯が接触していると筋肉に負担のかかることを感じてもらい、自分の意思で上下の歯を離し、筋肉をリラックスさせるというもの。しかし1日中意識することは難しいため、「歯を離す」「上下の歯を離してリラックスする」などと紙に書いたものを身近なところに貼り、貼り紙を見たときには意識して力を抜いてもらう。また、ソフトスプリントによるバイオフィードバック法も効果的である。これらの指導を通じて、患者さんに自分の無意識の習慣に気づいてもらい、注意してもらうようにすることが大切である。