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パラトグラフィー

【読み】
ぱらとぐらふぃー
【英語】
palatography
【書籍】
ザ・クインテッセンス 2012年12月号
【ページ】
83

キーワード解説

パラトグラフィーとは、同一の語音ではほぼ一定の形を呈することから口蓋、義歯床における調音状態を確認する方法である。発音時に舌が口蓋に接触する範囲は、同一の語音ではほぼ一定の形を呈することから、義歯床の口蓋部形態を確認する検査である。発音においては、舌と口蓋との相対的位置関係が重要であり、特定の音声を発声する場合に舌と口蓋とは一定の位置関係を保っている。全部床義歯では、口蓋部の義歯床の形態や厚みがその位置関係を損なわせる。語音明瞭度検査で不明瞭となった「カ」「サ」「タ」「ラ」の発音時に、アルジネート粉末を塗布する静的なパラトグラムが示す口蓋部の範囲を参照に、ろう義歯を修正する。また、無歯顎者では、顎堤の吸収から固有口腔の体積が増加したことにより、とくに「カ行」の発音時に位置関係を損なわせる。この場合には、口蓋部を肥厚させるPAP(舌接触補助床)に準ずる。